■ ブラシ素材について ■ −特性と用途− |
品 名 | 特性 及 物性 | 比 重 | 線 径 | 用 途 | |||||||||||||||||||||||||||||||||
ナイロン 種類 6タイプ
<東レ> |
化学繊維の中では耐磨耗性、弾力性、柔軟性に優れ、耐久性は抜群である。 アルカリには殆んど影響を受けない。 一般溶剤(アルコール、ガソリン、ベンゼン等)には不溶解。 濃塩酸、濃硫酸、濃硝酸で一部分解を伴って溶解。 フェノール類、濃蟻酸に溶解。 氷酢酸に膨潤。
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1.14 |
6タイプ φ0.1 〜 φ1.6 |
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66タイプ φ0.1 〜 φ1.5 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
610タイプ 612タイプ φ0.063 〜 φ1.0 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||
グリットナイロン (砥粒入ナイロン)
<東レートレグレット> |
ナイロン材の中に砥粒(酸化アルミナ、シリコンカーバイト又は、ダイヤモンドパウダー)を混入しフィラメントとして加工した線材であり、研磨力に優れている。 その他の特性は殆んどナイロンと同じである。 |
2.56 |
φ0.25 〜 φ1.6 |
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ポリプロピレン (P.P) <パイレン> |
ナイロンより硬く、腰が強い。屈曲回復性、弾力性に優れているが、長時間使用すると先端が縦裂けを起す場合もある。 酸、アルカリに殆んど影響を受けない。 一般溶剤には不溶解。 溶融点170℃、使用限界80℃ |
0.91 |
φ0.1 〜 φ1.5 |
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塩化ビニール (P.V.C) <トーロン> |
ナイロンより硬く、腰が強い。 酸、アルカリに殆んど影響を受けない。 アルコール、エーテル、ガソリンに不溶解。 ベンゼン、アセトンには膨潤。 高温度の使用には不適当。 溶融点135℃、使用限界60℃ |
1.39 |
φ0.1 〜 φ0.7 |
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ポリエステル (P.E.T) <テトロン> |
ホリプロピレンより硬く、耐摩耗性に優れている。 濃塩酸、硫酸、硝酸に殆んど影響を受けない。 10%苛性ソーダ溶液、28%アンモニア溶液で強度は殆んど低下しない。 溶融点260℃、使用限界140℃ |
1.38 |
φ0.3 〜 φ0.5 |
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アクリル <Xラン> |
肌ざわりが良く、人毛に近い。 ブラシ材料としては極細である。 酸、アルカリに殆んど影響を受けない。 |
1.14 〜 1.17 |
φ0.07 |
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アラミド繊維 <コーネックス> |
超耐熱性繊維で、反発性と腰が強く、耐摩耗性に優れている。10%苛性ソーダー、40%硫酸で強度は殆んど低下しない。 静電気の発生や汚れが付着しにくい。 溶融点430℃、使用限界250℃ ※砥粒入は、上記の特性と同じで研磨力に優れている。 |
1.34 |
φ0.15 〜 φ0.55 |
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フッ素繊維 <テフロン> |
不燃性で無毒、摩擦係数が小さく、非粘着性は大である。 耐薬品性に優れ、広い温度範囲で特性が変わらない。 |
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導電性繊維 (剛毛タイプ) エレバイ |
ナイロンにエレノンエマルジョンを均等に特殊加工コーティングした導電性繊維で、静電気除去と除塵効果大である。 |
φ0.2 φ0.3 |
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モノエイト |
ナイロン66をベースに、ナイロン6及び導電性カーボンブラックを配合。 特性はナイロンに準ずるが、カーボンが多く配合されているため強度はやや低め。 比抵抗1.3× ![]() |
φ0.15 φ0.3 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||
導電性繊維 (極細タイプ) <サンダーロン>
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アクリル繊維に硫化銅を混入した導電性繊維で、静電気除去と除塵効果大である。 | 15.6μ〜40μ |
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品 名 | 種 類 | 特性 及 物性 | 用 途 | ||||||||||
馬毛 (黒・白・赤・茶・ゴマ) |
イカツテール−両切の尾毛(ブラシ素材として最適) イカツメイン−両切の立髪(ブラシ、ハケの材料) 本毛−筆状の尾毛(ブラシ材) 振毛−筆状の立髪(ハケの材料) |
化学繊維より耐薬品性は多少優れている。 柔軟性、弾力性大、静電気は起こりにくい。 天然繊維のため太さが一定ではないが、用途に応じて材質を選定し使用する。 ブラシ、ハケの材料として広範囲に使われている。 |
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豚毛 | (白・黒) |
柔軟性、弾力性に富み腰が強い。ブラシ、ハケの材料として最適。 天然性の為、長さに限界がる。 |
同上 | ||||||||||
羊毛 (山羊毛) |
(白・ゴマ) | 馬毛、豚毛より腰が柔かく、あたりがソフトである。 |
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鹿毛 | 原産地(日本・カナダ・北米) | 柔軟性に富み、あたりがソフトであるが切れ易い。 |
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人毛 | 柔軟性に富み、あたりはソフトである。 |
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品 名 | 特性 及 物性 | 用 途 | ||||||||
タンピコ (パキン) |
タンピコ麻の葉からとった繊維で、白色で、剛毛である。 吸水性は大であり、洗浄力、研磨力に優れているためブラシ材に適している。 原産地はメキシコ、使用限界は80℃位である。 |
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パーム |
椰子の実の繊維で水含みが良く洗浄力に優れている。 柔らかく、比較的弾力がある。 |
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シダ |
パルミラ椰子の葉柄からとった繊維である。 水含みが良く硬いため清掃用、洗浄用に適している。 |
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シュロ | 腐敗に耐えることは植物繊維中第一で、伸縮の多いことも著しい特徴である。繊維は硬く短いが、摩擦に弱い。 |
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カルカヤ | メガルカヤの根から採った繊維であり、剛毛である。 |
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サイザル | 麻からとった繊維であり、研磨力に優れている。 |
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ブロン | パルミラ椰子の葉のついている部分の葉を削り落し、背軸だけを取って作った繊維で強くて弾力がある。 |
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品 名 | 特性 及 物性 | 線 径 | 用 途 | ||||||||||||||
硬鋼線 (SW) |
冷間引延により、硬度を出したものである。 広く工業用ブラシに使用される。しかし錆が発生したり連続使用をすると金属疲労をおこす。 炭素含有量は40C〜80Cである。 |
φ0.1 〜 φ0.8 |
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焼入線 | 鋼線を焼入れしたもの。 |
φ0.2 〜 φ0.8 |
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金メッキ線 |
鋼線をメッキしたもので、強度に優れている。 研磨力、研削力は抜群であり、切損も少ない。 |
φ0.2 〜 φ0.5 |
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金メッキより線 | 上記の線を数本撚り加工したもの。 |
φ0.25 〜 φ0.38 |
同上 | ||||||||||||||
ラッピング | 金メッキ線を数本束ねたもの。 |
φ0.25 〜 φ0.38 |
同上 | ||||||||||||||
針布線 | 起毛に使用する線である。弾力性がある。 |
φ0.2 〜 φ0.5 |
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鉄線 (SWM) |
やわらかいのでキズはつかないが、腰は弱い |
φ0.1 〜 φ0.2 |
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ステンレス線 (SUS) <SUS 304> |
酸・アルカリ・熱に強く、硬鋼線に比べ錆が発生せず折損が少ない。 但し、SUS304はブラシ材に加工する工程で若干磁性を帯びるが、SUS316は磁性を有しない。 |
φ0.05 〜 φ0.8 |
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真鍮線 (BSW) |
硬鋼線やステンレス線よりも腰が柔らかく、あたりがソフトである。 但し、色が着くこともある。 |
φ0.06 〜 φ0.8 |
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燐青銅 (PBW) |
銅を主成分としこれに錫を3〜9%加え、りんで脱酸した三元合金。 ばね性、耐蝕性、耐磨耗性に優れている。 |
φ0.06 〜 φ0.6 |
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ベリリウム銅 | 耐蝕性がよく、導電性に優れている。 |
φ0.1 〜 φ1.0 |
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